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2008 年度 実績報告書

マルチ電極法を用いたマウス網膜光応答に対するプリン受容体修飾効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 18500312
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

金田 誠  慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (30214480)

キーワードマウス / 網膜 / ATP
研究概要

マウス網膜神経節細胞にマルチ電極法を適用し、コンピューターディスプレイの明るさをコンピュータープログラム上で変化させ網膜に光刺激を行うと、網膜神経節細胞から活動電位を記録することができる。このとき記録される光刺激に対する活動電位の発射パターンの解析から、マルチ電極法を用いるとON型とOFF型網膜神経節細胞の光応答を区別することができることがわかった。そこで網膜神経節細胞の光応答がP2型プリン受容体を介する修飾を受けているかどうかを明らかにする目的で、P2型プリン受容体の阻害薬であるPPADSを投与し、光刺激に対する網膜神経節細胞の光応答をON型とOFF型に分けて解析した。光応答の解析からPPADSはON型網膜神経節細胞の光応答を抑制するが、OFF型では光応答を増強することが明らかとなった。またOFF型網膜神経節細胞における光応答の増強は、単位時間当たりの発火頻度の増加ではなく、OFF刺激に対する発火持続時間の延長によることが明らかとなった。以上の結果からマウス網膜神経節細胞の光応答は、P2X受容体を介してON経路とOFF経路で異なる調節を受ける経路特異的な修飾機構を持っていることが明らかとなった。網膜神経節細胞の光応答調節にかかわる受容体のサブタイプについてはPPADSの受容体サブタイプ特異性が低いため、P2X受容体であることまでしか検討できなかった。昨年度まで実施したパッチクランプ法を用いた実験結果とあわせると、網膜神経節細胞で見られる経路特異的な調節機構はP2X2型プリン受容体が一番可能性が高いと思われるが、サブタイプ決定のためにはさらなる薬理学的実験が必要と考えられる。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (8件)

  • [雑誌論文] Pathway-dependent modulation by P2-purinoceptors in the mouse retina.2008

    • 著者名/発表者名
      Kaneda, M., Ishii, T., Hosoya, T.
    • 雑誌名

      Eur. J. Neurosci. 28

      ページ: 128-136

    • 査読あり
  • [学会発表] Mutation analysis of the voltage-gated sodium channel・II gene in patients with early childhood intractable epilepsies.2008

    • 著者名/発表者名
      Ogiwara, I., Ito, K., Osaka, H., Mazaki, E., Inoue, I., Fuiiwara, T., Inoue, Y., Kaneda, M., Yamakawa, K.
    • 学会等名
      38th Annual Meeting of Neuroscience
    • 発表場所
      Washington DC, USA
    • 年月日
      20081115-20081119
  • [学会発表] 電位依存性ナトリウムチャネルα2遺伝子変異を認めた点頭てんかんで発症し難治全般てんかんに変容した1例2008

    • 著者名/発表者名
      荻原郁夫, 伊藤公一, 真崎恵美, 井上育代, 金田誠, 藤原建樹, 井上有史, 山川和弘
    • 学会等名
      第42回日本てんかん学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20081018-20081019
  • [学会発表] 難治性乳幼児てんかんに認められた電位依存性ナトリウムチャネルα2遺伝子変異2008

    • 著者名/発表者名
      荻原郁夫, 伊藤公一, 小坂仁, 真崎恵美, 井上育代, 四家達彦, 藤原建樹, 井上有史, 金田誠, 山川和弘
    • 学会等名
      第53回日本人類遺伝学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      20080927-20080930
  • [学会発表] P2X2受容体活性化で発生するマウス網膜コリン作動性アマクリン細胞のコリン電流2008

    • 著者名/発表者名
      金田 誠
    • 学会等名
      平成20年度生理学研究所研究会『病態と細胞外プリン-治療標的としての可能性を探る
    • 発表場所
      岡崎
    • 年月日
      20080904-20080905
  • [学会発表] マウス網膜P2X2受容体で見られる特異な生後発達様式2008

    • 著者名/発表者名
      霜田幸雄, 重松康秀, 金田 誠
    • 学会等名
      平成20年度生理学研究所研究会『病態と細胞外プリン-治療標的としての可能性を探る
    • 発表場所
      岡崎
    • 年月日
      20080904-20080905
  • [学会発表] マウス網膜P2X2プリン受容体の発達は視覚入力非依存性である、、)2008

    • 著者名/発表者名
      金田 誠, 重松 康秀, 霜田 幸雄
    • 学会等名
      第31回日本神経科学学会大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20080709-20080711
  • [学会発表] 低頻度刺激による海馬苔状線維LTP誘導2008

    • 著者名/発表者名
      伊藤公一 (他5名)
    • 学会等名
      第31回日本神経科学学会大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20080709-11
  • [学会発表] ナトリウムチャネルα1型サブユニット遺伝子の選択的プロモーター2008

    • 著者名/発表者名
      荻原郁夫 (他4名)
    • 学会等名
      第31回日本神経科学学会大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20080709-11

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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