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2008 年度 実績報告書

視運動性刺激の脳内情報処理メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 18500319
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

小高 泰  独立行政法人産業技術総合研究所, 脳神経情報研究部門, 主任研究員 (10205411)

キーワード霊長類 / 視運動情報処理 / 行動学的研究法 / 輻輳・解散眼球運動
研究概要

本応募課題において、次のような結果を得た。
・実験装置の開発・設置:
ヒトを対象とした散大・凝集視覚性運動刺激によって誘発された眼球運動の研究に用いたものと同等の性能をもった動物用実験装置を日本で設置・校正。輝度の制御は、11ビット解像度(2048階調)を確認。
実現できた視覚刺激装置の性能は次の通り:
色彩:白黒
輝度階調:11ビット(2048階調)以上
画像解像度:1600×1200ピクセル
フレーム周波数:100Hz
・行動実験:
1.課題成功率
サルの注視課題成功率は、実験開始当初の目標であった95%を十分に満たした。
2.サルでの心理物理実験の結果
○サルの視力についての確認実験
サルの視力(特に近位側視力)がヒトと同じ程度であるかを確認する実験:サルの前に置いたCRTモニターと眼との距離を20cm〜35cmで変化させ、見える距離のみを変させ評価した。
○サルにおける放射状方向への視運動に対する反応
1fにより生じた眼球運動を、刺激呈示後60〜100mS間の眼位の変化について詳細に計測し、周波数特性曲線を得た。その結果、最大応答を示した空間周波数は、0.1〜0.6サイクル/度であった。この値は、同様の実験を行った際、ヒトで得られた結果と非常に近い値であった。最適周波数は、コントラストに依存した変化を示さなかった。
3.結果の評価
本応募における行動学的実験による結果は、ヒトにおいて得られていた結果と、ほぼ同じである事が分かった。この事は、サルの脳内での処理の特性は、ヒトにおける処理の特性と同じである事を示唆している。これによって、サルにおける神経生理学的研究は、ヒトの脳で行われているであろう情報処理のモデルとして位置づける事ができるといえる。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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