研究課題/領域番号 |
18500336
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研究機関 | (財)実験動物中央研究所 |
研究代表者 |
佐々木 えりか 財団法人実験動物中央研究所, マーモセット研究部, 室長 (70390739)
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研究分担者 |
江藤 智生 財団法人実験動物中央研究所, 動物資源管理部生殖工学研究室, 室長代理 (30370175)
平川 玲子 財団法人実験動物中央研究所, マーチセット研究部, 共同研究員 (70414068)
外丸 祐介 広島大学, 自然科学研究支援センター, 助教授 (90309352)
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キーワード | 核移植 / 発生工学 / 霊長類 |
研究概要 |
我々は、これまでにコモンマーモセットにおける体細胞クローン胚を作製し、体外発生能を検討してきた。しかしながら、現状ではその発生能は極めて限られたものであることから、その要因について検討した。 雌個体の卵巣から外科的に吸引採取した卵胞卵子767個を広島へ輸送して実験を行った。得られた卵胞卵子を24時間成熟培養し、以下の実験に供試した。実験1:体細胞クローン胚の作製方法を検討するため、染色体除去卵子をレシピエントとして、活性化処置の1時間前、直後および2時間後に核移植を実施した。ドナーには胎子由繊維芽細胞を用い、活性化処置は電気刺激(150V/mm、50μsec、2回の条件を20分間隔で3セット)と2mM DMAPによる処置を組合せて実施した。これらをISM1液で48時間、次いで10%FBS添加ISM2液で胎子繊維芽細胞と共培養し、胚盤胞への発生を確認した。 実験2:一部の卵子について、融合後30、60、120および180分でホールマウント標本を作製して核相を確認した。 実験3:第2減数分裂中期染色体(卵子染色体)の存在と倍数性の影響を検討するため、染色体除去卵子ヘドナー細胞を2個もしくは無操作卵子へ1個核移植することで4倍体核移植卵、ならびに4倍体単為発生卵を作製し、それぞれの発生能を調べた。実験1では、いずれの方法も胚盤胞へは発生は認められなかったが、活性化処置前に核移植した場合に8細胞期へ最も高率で発生した。実験2では活性化処置前に核移植した場合に、早期染色体凝縮が最も高率に誘導されていた。実験3では無操作卵子ヘドナー細胞を1個核移植した4倍体核移植卵のみ胚盤胞への発生が確認された。他の4倍体卵は発生しなかったことから、卵子染色体の存在が重要な役割を果たしていると考えられた。
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