研究課題/領域番号 |
18500338
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
多屋 長治 財団法人東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 主任研究員 (90175456)
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研究分担者 |
吉川 欣亮 東京農業大学, 生物産業学部, 准教授 (20280787)
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キーワード | 減数分裂 / 遺伝的組換え / 日本産野生マウス / MSM系統 / 組換え雌雄差 / ホットスポット / コールドスポット |
研究概要 |
減数分裂時における遺伝的組換え現像は、生物の遺伝的多様性を高める重要な機構の一つである。しかし、その機構に関しては未だ不明な点が多い。我々は被毛の形態異常を起こす突然変異遺伝子について日本産野生マウス由来のMSM系統をパートナー系統として連鎖解析を行ったところ、マウス第15染色体末端近傍で組換え率が雄で雌の数十倍高いという大きな雌雄差のあることを見いだした。この雌雄差を引き起こす原因を明らかにすることは、減数分裂時の組換え機構を探る上で重要な手がかりになると考えられる。そこで、このような組換え雌雄差を示す領域かマウスゲノム中に他にも存在するかどうかの検索を行った。昨年、雌に関する連鎖解析の結果、第2、第11、第19染色体末端近傍に極めて組換て頻度が高いと示唆される領域を見だしたと報告したが、その後ゲノム解析の結果、当初予想したほどのホットスポットは存在しないことが明らかになった。今後、より詳細に検討していきたい。また、これまでの一連の研究の過程で、このマウス第15染色体末端近傍に雄における高頻度組換え領域の存在が明らかになった。これは約200KbのDNA領域で4cMの組換え率を示す。マウスでは1cMは物理的距離で1.6から2Mbpに相当するとされており、この領域は通常の30〜40倍の高い頻度で組換えが生じていることが示唆されている。本研究では、このホットスポットを含むBACDNAのトランスジェネシスによりトランスジェニックマウスを作製しDNA挿入部位に組換えホットスポットが生じるかを検索することにより、この領域がゲノムの挿入位置や遺伝的背景によらず遺伝的組換えのホットスポットとして機能しうるかどうかの検証を試みている。
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