研究概要 |
蛍光X線CT(Fluorescent x-ray Computed Tomography: FXCT)は,生体内の超微量な非放射性造影剤(たとえば,ヨウ素やガドリニウムなど)の空間分布を,高い空間分解能で検出・描出できる撮像モタリティであり,空間分解能が不十分な現行のPET(Positron Emission Tomography)やSPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)などの核医学イメージング法に代わる,新しい分子イメージング法として期待される.われわれは,X線源として放射光X線を用いて,マウスやラットなどの小動物用FXCTイメージング・システムを開発中である.現在,再構成画像の画質を劣化させる以下の2つの問題点に直面している:(1)被射体が麻酔下にあるうちに投影データを取得する必要があるが,測定時間が長いために投影数が著しく限定されること,(2)測定データが不可避な物理的要因により,劣化させられていること.(1)の問題を克服するためには,測定時間を削減するため,ビームを被射体の大きさに応じて適応的・効率的に走査する方式を提案した.また(2)の問題に対しては,生データから信頼高く投影を推定するためのデータ処理方式を提案した.高エネルギー加速器研究機構における物理ファントム実験とマウス脳のin vivo画像計測により,これらの提案法の有効性を示すことができた.
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