研究課題
微小血管造影に関するビームラインBL28B2での、本研究の目的の1)X線強度が10倍以上となりX線パルス幅0.1〜0.2msを達成、2)センチメータサイズの視野の達成について、平成19年度は全反射ミラーを新たに設置して研究を進める予定であった。しかし、予算的に全反射ミラーの設置が難しくなり、代わりに大型の非対称反射型結晶を使う方式に変更し、大型結晶を装着可能な分光器の仕様を検討して具体的に製作を行った。非対称反射型結晶用の分光器の開発と平行して、動物実験では従来の結晶分光器を使い、2次元動態画像撮影での微小血管造影を行った。具体的には、血管内皮前駆細胞治療などによるラット心筋梗塞モデルの心機能・血行改善の評価を、摘出心でのランゲンドルフ灌流下で実施した。マイクロCTに関しては、ビームラインBL20B2での本研究の目的の3)ズーミング再構成と、4)投影像撮影時間の短縮について、平成19年度ではズーミング再構成プログラムの開発と、分光結晶の改良による約5倍のX線強度増大での撮影時間の短縮を実現した。そして、摘出灌流心を使った微小血管造影実験の後で、摘出灌流心の冠血管へバリウム造影剤を注入した標本を作成し、ラット心全体の3次元CT像を解像度6μmで撮影した。これらの投影データをもとにして、ズーミング再構成プログラム等を利用して、3次元CT像の再構成を行い心臓血管系の立体的な構築を観察した。
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