研究課題/領域番号 |
18500365
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
香月 憲一 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (80254407)
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研究分担者 |
高岡 邦夫 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30112048)
岡田 充弘 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 登録医 (40309571)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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キーワード | FGF(Fibroblast Growth Factor) / ナノファイバー縫合糸 / DDS(Drug Delivery System) / 生体吸収性合成ポリマー / 腱縫合 / 腱治癒 |
研究概要 |
本研究の目的は、生体吸収性合成ポリマー(PEG;polyethylene glycol)を用いてナノファイバー縫合糸のネットワーク内に、組織再生促進蛋白のーつである線維芽細胞増殖因子(FGF;Fibroblast Growth Factor)を含有させ、縫合糸そのものにDDS(Drug Delivery System)としての機能を持たせることで生物学的に断裂腱の再生・癒合を促すような新しい腱縫合糸の開発を行うことである。方法はウサギ腱損傷モデル(日本白色家兎、趾屈筋腱)を用い、PEG polymerに高濃度FGF溶液(500μg/ml)を混合し、ナノファイバー縫合糸に含浸させた。5-0ナイロン糸を用いてKessler法で断裂腱のcore sutureを行い、FGFを含有させたナノファイバー縫合糸を用いてperipheral sutureを行った(FGF群)。対照群としてはPEGのみを含有させたナノファイバー縫合糸を用いてperipheral sutureを行った(PEG群)。術後3週(3W-PEG群、3W-FGF群)、6週(6W-FGF群、6W-FGF群)で組織学的検討(HE染色)、力学試験(引っ張り強度)を行った。結果、腱縫合部の組織学的所見では、3W-FGF群、6W-FGF群でPEG群と比較し腱表層のepitenonの肥厚と細胞増殖の著明な増加を認めた。力学試験では、3W-FGF群(N=31.8±3.8)は3W-PEG群(N=24.3±3.4)に比較し有意に破断張力が増大した。6W-FGF群(N=52.5±3.5)と6W-PEG群(N=43.7±4.7)間ではFGF群のほうが破断張力の増大傾向は認めるものの有意差は認められなかった。ナノファイバーにFGFを含有させた群では、組織学的に腱修復の促進効果が得られており、力学的強度の早期回復が得られることがわかった。
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