研究課題/領域番号 |
18500371
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 (2007) (財)神奈川科学技術アカデミー (2006) |
研究代表者 |
北嶋 隆 独立行政法人理化学研究所, 伊藤ナノ医工学研究室, 協力研究員 (40399556)
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研究分担者 |
伊藤 嘉浩 独立行政法人理化学研究所, 伊藤ナノ医工学研究室, 主任研究員 (40192497)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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キーワード | 移植・再生医療 / 組織工学 / 増殖因子 / 血管 |
研究概要 |
【背景】増殖因子は組織の再生において重要な要素であるが、蛋白質として不安定(半減期が短い)なため活性が持続せず、また目的とする部位以外にも効果を及ぼす副作用の問題点もあり、実際に医療応用が進んでいない。 【目的と検討内容】上記のような問題を解決する手段として、増殖因子にコラーゲン結合性を付与することを検討した。具体例には、血管新生因子HGFについてコラーゲン結合型融合蛋白を製造した。またこれを、移植用材料と組み合わせることで組織再生を促進する効果が得られるか検討した。 【成果】コラーゲン結合性にすることで、増殖因子としての安定性が高まり、活性の持続性が発揮された。結合型に改変された増殖因子は、コラーゲンコートが可能な基材であれば強固に結合(固定化)させることが可能であった。また、固定化によって、蛋白の構造や活性に影響を与えることがないという利点も確認された。そこで再生医療への応用を念頭に、バイオマテリアルとの組み合わせによる次のような検討を行い、成果が得られた。 (1)コラーゲン結合性HGFを人工血管材料に固定化して移植すると(ビーグル犬)、その内面に早期の内皮下が誘導された。このことから、長期開存可能な小口径人工血管の可能性が考えられる。 (2)コラーゲンスポンジに改変型因子を結合させて移植すると(ラット)、血管新生が効率的に誘導されることを見出した(心筋や、下肢虚血部位の再生治療への応用が示唆される)。 (3)血管損傷部に投与し(ラット)、内皮の再生が促進された。(冠動脈の再狭窄抑制の可能性) 上の様な、移植用材料や医薬品的な用途の他に、治療用細胞を増殖させるための培養器への応用も示唆された。 今後、コラーゲン以外(フィブリンなど)にも統合性をもつ融合蛋白も作製し、皮膚や骨組織等、循環器以外の組織の再生への応用も検討していく予定である。
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