研究分担者 |
幅野 渉 岩手医科大学, 医学部, 助手 (50332979)
福廣 吉晃 岩手医科大学, 医学部, 助手 (20228927)
吉岡 邦浩 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (70210648)
小原 航 岩手医科大学, 医学部, 助手 (90337155)
中居 恵子 岩手医科大学, 医学部, 講師 (40227723)
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研究概要 |
薬剤使用による心筋傷害や致死的不整脈を未然に防ぐための遺伝子レベル・個体レベルでの個別化医療の基盤研究は重要な課題である。QT延長の原因となる心筋のイオン・チャンネルの一塩基遺伝子多型(SNP)の1つにいわゆるI_<Kr>電流がある。抗不整脈薬だけではなく、抗癌剤なども薬物誘発QT延長をもたらすということもわかってきた。薬剤によるQT延長や傷害心筋の評価は、薬剤開発の安全性評価としても重要度を増している。平成18年度、研究課題の中で以下の点を構築した。 (1)心磁計は心臓の電気的現象を三次元的に評価することが可能である。64チャンネル心磁計で再分極過程の異常を直接的に反映する指標であるRTc時間のばらつき(RT dispersion)とTpeak-end dispersionを計測して、心磁図による薬剤誘発QT延長および傷害心筋評価法を開発した(Int J Card Imaging 2006) (2)先天性QT延長および薬剤(抗不整脈薬)誘発QT延長症例を10例登録して、カリウムチャンネルSNPs<KCNQ1,KCNH2,HERG>を検索した。 (3)抗がん剤(MVAC療法)施行例を登録(10例)して、64チャンネル心磁計でアドリアマイシンによる心筋傷害の有無を検証した。さらに、抗がん剤(methotrxate)代謝にかかわるMTHFRの遺伝子多型(A677C)を解析するシステムを構築した。 次年度、薬剤誘発QT延長にかかわるカリウムチャンネル<KCNQ1,KCNH2,HERG>および抗がん剤(methotrxate, doxorubcin)代謝にかかわるSNPsの評価と心磁計による薬剤誘発QT延長部よび傷害心筋の評価法を確立する。
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