研究課題/領域番号 |
18500389
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
中尾 伸二 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (80309450)
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研究分担者 |
増山 理 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70273670)
李 正明 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (70411999)
弓場 雅夫 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (60351821)
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キーワード | 循環器・心不全 / 超音波 |
研究概要 |
1 臨床研究においては、心不全例において心筋RF信号の取り込み、ならびに組織ドプラ法、ストレインイメージングによる心筋局所運動解析をおこなった。心筋RF信号をカオス理論を利用して求めたアトラクタより相関次元を求めた。拡張型心筋症を基礎心疾患とする心不全症例においては正常例と比較して相関次元が低下することが観察された。心筋線維化との関係も示唆され今後検討していく予定である。また再同期療法によりカオス性がどのように変化していくか検討していく予定である。ただし、関心領域の設定や計測する心周期、さらに加齢の影響をうけることが予備的検討で明らかとなったため測定に際しては注意していく必要がある。 2 組織ドプラ法とストレイン法により心筋局所解析をおこなった。心不全例においておもに左室中隔と側壁の運動を中心に解析したところ、心電図上左脚ブロックを呈する症例では中隔側に収縮後収縮(postsystolic shortening)と呼ばれる現象が見られた。また再同期療法を必要とする重症な心不全症例では組織ドプラ法の速度の値がかなり小さく心収縮のピークに時相を決定するのが困難な症例が多いことが判明した。組織ドプラ法によるストレインイメージ法で心筋を解析すると解析によるノイズが大きく、また計測の再現性が組織ドプラそのものよりも劣ることが判明した。とくに時相の解析はストレイン法では困難であった。ただし、ち心臓再同期療法の前後で比較してみると、成功したと考えられる例では中隔と側壁の時相差の著明な減少を認めた。 そこで新たにストレイン計測のためにTissue tracking法を用いた心筋ストレインにより心筋局所運動を解析していく予定である。
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