研究課題/領域番号 |
18500390
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
豊田 英嗣 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30248215)
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研究分担者 |
吉田 清 川崎医科大学, 医学部, 教授 (60322583)
桂 昌司 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80204452)
大熊 誠太郎 川崎医科大学, 医学部, 教授 (30152086)
根石 陽二 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80319946)
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キーワード | 循環器・高血圧 / 血管新生 / 微小血管構築 / 心筋虚血 / 超音波治療 |
研究概要 |
本研究は虚血性心疾患の治療戦略として微小バブルの超音波破壊刺激が有効であるか、動物実験により検証している。そのために、以下の項目について実験を遂行している。 1)本研究室が独自に開発する虚血性心筋症の動物モデル(意識下反復的心筋虚血再灌流心)を確立する。 2)静脈投与微小バブルに対して経胸壁的超音波刺激による心筋内バブル破壊刺激を行う方法論を確立する。 3)心筋虚血領域に可及的微小バブルを集積させるために虚血領域冠血管内皮に発現する蛋白に対する抗体を修飾させた微小バブルを作成する。 これらを統合して、虚血性心筋症の低下した心機能が虚血領域内微小バブル超音波破壊刺激によって改善しうるか、さらにこの時、冠微小血管の有効な再構築がおこるのかを検討することである。研究目的を達成するための平成18年度の研究計画は動物モデルの作成・プロトコール・パラメータの設定であった。このための6つの課題を遂行した。 #1.反復心筋虚血刺激用バルーンオクルーダの植え込み術:ラットに施行するこの新技術は完成した。 #2.虚血性心機能障害を誘発するプロトコールの選択:#1の結果、意識下で10分間虚血を繰り返すプロトコールと30分間虚血を繰り返す(48時間毎)プロトコールを行った。前者は途中で高率に心室細動により死亡するため続行を断念した。後者で検討をすすめた。 #3.心機能の評価:#2の後者において心エコー図法により進行性の心機能低下を検証した。 #4.冠側副血行路発育の評価:冠微小循環構築三次元イメージング:#2の心サンプルのマイクロCT撮像・解析を行い、冠微小血管の容量分画が減少すること確認した。 #5.冠血管新生の評価:SPring8(2006B期課題番号2006B1495と2007A期課題番号2007A1748、共に研究代表者:豊田英嗣)にて心臓サンプルの放射光microCT撮像を行い6ミクロンの分解能で冠微小循環を三次元画像化する方法論の確立を目指した。これまでに前例のない技術のため放射光撮像の条件設定からの検討となった。高分解能ゆえのサブミクロンオーダのサンプルのプレが画像の再構築に大きな支障を来す問題が明らかとなり、これを克服するためには十分な固定が必要であることが判明した。 #6.心筋繊維化(梗塞巣)の評価:#2の心筋には不均一な線維化と残存心筋を呈した。 これらより、現段階で最も有効と思われる動物モデルを完結したので論文(次項に示す)を発表した。平成19年度はこれにどのようなプロトコールの微小バブル超音波破壊治療が有効であるか否かを検討していく予定である。
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