アクチュエータは超音波モータを中空型に改造して、二自由度で空間を動かせるようにした。アーム部にはチタン、アクチュエータ部は非金属で耐磨耗性や耐熱性に優れているPEEK樹脂を用いた。金属材料をより少なくすることにより、MRIの撮影画像への影響をより少なくすることができる。アームのモータは、2つの直径が異なるアクチュエータを用いた。アームの根本には大きなトルクが必要なため直径が6cmのモータを用いた。また、ガントリ内のモータには自由度を高める目的と画像への影響を少なくするために3cmタイプのものを用いた。動作は本研究で提案するデュアル・マスター・スレーブ方式を用いた。MRIに設置された手術支援アームを、外部からマスター・スレーブ方式において操作する。MRI装置内に設置されたアームが操作者と同様の動作をする。しかしながら、MRIは外部をケース(磁石)で囲まれており、その動作を直接確認することができない。本研究では、MRI内に設置された手術支援アームの動きを更に操作者側にフィードバックして、MRI室内でのアームの動きを直接確認できるようにした。このようなシステム構成とすることにより、動作状況を直接確認することができる。また、超音波モータは、周波数を可変することにより制御を行った。この方式を用いることにより、位相差を制御方式に較べて、より高速での移動および低速時での高トルク動作が可能となる。
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