研究課題
基盤研究(C)
予測的姿勢制御(Anticipatory Postural Adjustment APA)は、随意運動に先立って姿勢筋に筋活動が出現するものである。本研究者らは、(1)対象物を目でとらえるような頭部眼球運動でのAPA、および(2)筋活動のパターン(筋シナジー)について研究を行った。(1)頭部眼球運動でのAPA 下方50度の視標を見るときの頭部眼球共同運動では平均20ms先行して足圧中心の移動(APA)が、若年健常者の85%で一定して見られた。上方、側方のそれぞれ50度、60度の視標に対しては、頭部運動に遅れて出現していた。眼球運動だけでは足圧中心の移動は出現しなかった。下方視のときにのみ出現する理由は、頭部回転の軸が上部頚椎にあるため、頭部回転のモーメントが最大になるためと考えられる。また、60-72歳の高齢者で同様の課題で調べたところ、下方への頭部眼球運動のときに頭部運動に先行したAPAが見られた。筋電図の記録では、年齢に関係なくDownでは下腿(Gas)よりも大腿(BF)が先行することが多かったが、高齢者ではTAの活動の先行も見られた.(2)筋シナジー 若年健常者を不安定な床面上に立たせて、手にもった錘を急速に放すという課題での姿勢筋の筋活動(脊柱起立筋vs.腹直筋、大腿二頭筋vs.大腿四頭筋、ひふく筋vs.前脛骨筋)を5日間連続して記録し、M-modeの同定、ヤコビアン行列、UCM analysisを行った。背側と腹側の筋群を比較すると、初日にはこれらの拮抗筋同士の共同収縮が見られたのに対して、訓練を重ねるに従って共同収縮は減少し、UCM analysisにより検討するとUCMの分散が直交成分の分散を大きく越え、足圧中心の安定化に望ましい方向に働いていることがわかった。この結果は下記の業績中Exp Brain Resに掲載された。高齢者でも同様の比較を行ったところ、高齢者ではAPAの開始時間、活動時間に変動が大きかった。
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