本年度は、成熟ラットに対し、運動による足底皮膚に存在する機械受容器、末梢神経に対する影響を分析する目的で以下のとおり実施した。 (1)成熟ラットにおけるトレッドミル走行プロトコルの作成と実施 当研究科で所有している小動物用トレッドミル装置を使用し、トレッドミル走行プロトコルを選定するために予備実験を行った。その予備実験結果から、運動負荷量、走行時間等の条件設定を決定した。 (2)トレッドミル走行プログラムを実施し、組織の採取と分析 成熟ラットに対し、トレッドミル走行プロトコルを用い、走行運動を実施し、その後目的の組織を採取した。神経栄養因子のプライマーを作成し、RT-PCR法によるデータ解析、組織学による分析を実施している。今回得られたデータは、来年度実施予定の老齢ラットにおける老化の影響、運動の効果に対し比較検討する基礎データとする。 (3)バランス運動の装置の作成、プロトコルの作成 トレッドミル走行とバランス運動の影響を比較するために装置を作成した。この装置を使用し運動プロトコルを作成するための予備実験を行った。 老齢ラットについては、平成18年から飼育を開始している。本研究で使用する週齢まで飼育を行う予定である。使用週齢に達した時点で、本年度で選定した運動プロトコルの実施を行う。 平成19年度は老齢ラットに対し走行・バランス運動プロトコルを実施し、成熟ラットの実験結果と比較を行う。成熟、老齢ラットに対する足底皮膚に存在する機械受容器と末梢神経における運動の効果に対し検討を行う。
|