研究課題/領域番号 |
18500412
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
松元 秀次 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (80418863)
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研究分担者 |
下堂薗 恵 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (30325782)
川平 和美 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (20117493)
緒方 敦子 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (40305123)
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キーワード | 半側空間無視 / 経頭蓋磁気刺激 / 訓練効果 / リハビリテーション / 集中的訓練 |
研究概要 |
脳卒中の合併症の一つである「半側空間無視」は、主に右半球損傷後に、患者の左側空間の刺激に対して発見・反応が障害される病態で、患者の日常生活を大きく阻害する。 経頭蓋磁気刺激によって大脳の興奮性を促通または抑制の方向に変化させられることは、種々の報告から言われているが、この変化が持続している間に、多数回のリハビリテーションを行って、目的とする認知、動作を定着させる訓練法は今までになかった。従来、提唱されている作業療法、半側身体への振動刺激、プリズム眼鏡をかけてのポインティング等の訓練法を、大脳の興奮性が高まっている時間内に大量に行うことで、脳の可塑性発現を促し、半側空間無視の改善、日常生活動作の改善につなげたいと考える。我々の本研究は、高次脳機能障害に対するリハビリテーションの効果をあげ、より良い治療法を開発するために重要と思われる。 現在までの研究実績:短期の訓練効果の測定 まず、パイロットスタディとして、脳卒中患者に事前に十分な説明の上、インフォームドコンセントを行ったうえで、右半球損傷で左半側空間無視を有する脳卒中患者において、半側空間無視に対する各種の治療、リハビリテーションを行い、その短期的な効果を、治療の前後の評価で確認した。治療、リハビリテーションとして以下のものを行った。治療およびリハビリテーションの内容:a)経頭蓋磁気刺激:運動閾値以下の刺激強度で、5Hz、1500回の連続的経頭蓋磁気刺激を右頭頂葉に行い、大脳皮質の興奮性を増大させる。b)経頭蓋磁気刺激とプリズム眼鏡を組み合わせた訓練を行う。評価内容:A)ペグボード、B)模写試験、C)BIT(Behavioral Inattention Test)。脳卒中患者5名において検討した結果、短期的な効果が得られた。今後は、長期の訓練効果の測定についても研究を進めていく。
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