研究課題/領域番号 |
18500412
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
緒方 敦子 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (40305123)
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研究分担者 |
下堂薗 恵 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (30325782)
川平 和美 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20117493)
衛藤 誠二 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70295244)
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キーワード | 半側空間無視 / 経頭蓋磁気刺激 / 集中的訓練 / 脳卒中 |
研究概要 |
半側空間無視を呈する脳卒中患者4名(男性1名、女性3名)に対し、非障害側半球の頭頂葉に対し、閾値以下の刺激強度で0.5-1Hzの刺激頻度で経頭蓋磁気刺激(Transcranial magnetic stimulation: TMS)を5分間行い、脳梁を介して障害側の大脳皮質の興奮性を高めた状態を作った。その状態で、左側への注意を促すための、コンピューター上の訓練を20分程度、1週間に5-6日、2週間から8週間行った。評価はBIT(Behavioural inattention test)、コンピューターによる左右への反応課題での反応時間、運動時間を用いた。ペグボードや書字による通常の作業療法は、併用して行った。症例によっては、2週間ごとにTMS,刺激の入らないsham TMSの期間を設け、治療効果を比較した。4名とも、TMSを行った期間で、BITの改善、コンピューターによる反応時間、運動時間の短縮を認めた。1名での、TMSを行った2週間と、sham TMSを行った2週間での比較では、明らかな違いを認めなかった。これについては、半側空間無視の改善時期、天井効果等も無視できないため、より多くの症例で精密な評価をして比較する必要がある。また、半側空間無視がプラトーに達したと思われる2症例でも、BIT、反応時間の改善が認められた。右半球の興奮性を高め、脳の可塑性を高めた状態で、左へ注意を向ける訓練を繰り返すことが、半側空間無視の治療に効果的と思われた。
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