研究課題/領域番号 |
18500412
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
リハビリテーション科学・福祉工学
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
緒方 敦子 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (40305123)
|
研究分担者 |
衛藤 誠二 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70295244)
川平 和美 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20117493)
下堂薗 恵 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (30325782)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
キーワード | 半側空間無視 / 経頭蓋磁気刺激 / リーチング反応課題 / 脳卒中 / 行動性無視検査 |
研究概要 |
連続的経頭蓋磁気刺激(rTMS)が、半側空間無視を改善することが報告されているが、その効果は小さい。rTMS後に適切なリハビリテーションを行うことで、半側空間無視の治療効果を高められるかどうかを検討した。 対象は左半側空間無視を有する脳卒中患者3名である。rTMSにより、非障害側の左半球のP5(頭頂間溝の後部)を安静時閾値の90%程度の刺激強度で、1Hzで5分間、合計300回刺激をした。このrTMSの直後から、タッチスクリーン上の左上、中上、右上、左下、右下に視標を提示して、健側の右上肢でリーチングする2種類の反応課題を行った。1つは単純反応課題(simple-reaching task:SRT)もう一つは遅延反応課題(delayed-raching task:DRT)である。毎日の治療はrTMSを5分間行い、その後SRT50回を2セット、DRT20回を2〜3セット、計20〜30分で、この治療を週5日、2週間を1セッションとして行った。また、rTMSの効果を明らかにするために、2週間のsham刺激期間を設けた。半側無視の評価はBIT(Behavioural inattention test行動性無視検査)を用いた。 症例1では、入院後17週でBITがプラトーに達した後、最初のrTMS併用期間で10点の増加、sham刺激期間で21点の低下が認められた。反応時間は訓練開始時より、あまり変化しなかった。症例2では、BITにおいて、最初のrTMS併用期間で22点の増加、sham刺激期間で8点の増加であった。反応時間は短縮を認めた。症例3では、BITにおいて、最初のrTMS併用期間で31点の増加、sham刺激期間で5点の増加であった。反応時間は短縮を認めた。いずれの症例も、sham刺激期間に比べて、rTMS併用期間でBIT点数が改善し、rTMS併用訓練が有効であることが示唆された。
|