研究分担者 |
大木 真 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (50211785)
塙 雅典 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (90273036)
中村 一彦 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (40402086)
阪田 治 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (30391197)
今村 俊一 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 講師 (20232613)
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研究概要 |
本研究では、研究代表者が考案した振幅帯域圧縮・伸長法を用い、補聴器の出力音を使用者の聴力に合わせて難聴処理した音により、調整者が難聴者の聞こえを確認するところの実時間処理型調整支援装置の開発と,その調整支援装置の有効性を確認することを目的として研究を行った。 実時間処理型調整支援装置の開発では,難聴者の聴力に合わせた模擬難聴出力音を得るために周波数帯域を分割し,その帯域毎に処理を変える必要がある.当初の計画では汎用DSPを並列使用する予定であったが,分担者の協力を得て処理プログラムと実装プログラムの最適化を行った結果,単一DSPで処理することが可能であることを確認した.このように,調整支援装置の実用化に向けた基本的な要素技術を確立することができた. また,調整支援装置の有効性を確認する研究では,医学部耳鼻咽喉科の協力を得て評価試験を行った.方耳難聴者を被験者とし,難聴耳の聴力に合わせて振幅帯域圧縮・伸長法で模擬難聴処理した語音を健聴耳に入力し,処理しないオリジナル語音を難聴耳に入力してその弁別能試験の結果を比較し,両者の結果がほぼ一致することを確認した.このように,本研究の主要な目的の一つである模擬難聴処理の有効性を確認することができた. 同じ感音声難聴者であってもその聴力特性は多様であり,これまで模擬することができないと言われていたリクルートメント現象の顕著な難聴者の聴力を振幅帯域圧縮・伸長法を適用した処理音で模擬することが可能であることを確認した.これらの結果より,本研究で調整支援装置の基本的要素技術を確立したと言える.
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