研究課題
平成19年度は、姿勢動揺の様子やバランスの不安定な状態について振動触覚刺激を用いて教示するシステムを用いて、高齢者や障害者のバランストレーニングにおける効果的な感覚フィードバック方法を見出すための基礎的な研究活動を進めた.(1)被験者の姿勢変化を客観的に測定するために、身体各部の三次元計測を行う手段として既に導入している身体動作解析装置と、重心動揺を測定する重心動揺計を同時に運用するシステムを構築した.これを用いて健康若年者をモデルに様々な身体動揺実験を行い、そのときの重心動揺軌跡と身体各部の運動のデータを測定した.(2)振動刺激によって被験者に姿勢変化を起こさせバランストレーニングを行うためのソフトウエアを改良した.例えば、姿勢動揺の大きさが一定限界を超えた場合に強い触覚刺激を呈示する等の具体的な方法を実現している.(3)バランストレーニング時に能動的な身体運動を被験者に教示するために、複数の振動子を身体各部に装着し、振動刺激を経時的に切替えて移動感覚を表現する方法を改良した.振動触覚刺激の与え方を調整することで、被験者がバランストレーニングを効果的に行える可能性が示された.以上の様に本研究活動によって一定の研究実績をあげることができたが、これらを踏まえ以下の項目について研究を継続したい.(a)歩行時の姿勢の安定性の評価:重心位置データからは起立時の安定性しか判断できないが、上体の傾斜角度の時間変化などの三次元位置情報は歩行時でも測定可能である.両者を組み合わせて歩行時の姿勢の安定性を評価する手段を検討する.(b)振動触覚による情報の表現手段の展開:姿勢を安定にする手掛かりばかりでなく、身体機能のリハビリテーションの手段として振動触覚がどのように活かせるかを実用性を踏まえて検討する.
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電子情報通信学会技術研究報告 WIT2007-102
ページ: 67/72
電子情報通信学会技術研究報告 WIT2006-122
ページ: 99/102
Journal of Robotics and Mechatronics Vol.19,No.6
ページ: 612/618
http://www.scu.ac.jp/crc/kouza/kouza_071201.pdf