研究概要 |
20世紀から21世紀にかけてのモータリゼーションの一般化により自動車が一般的な乗り物になったように,少子高齢化を迎える日本社会にとっては,安全でかつ安心して利用できる次世代車椅子の開発は必須である.車いすの利用を前提としたバリアフリー化は,社会でも認知されつつあり,高齢者や足の不自由な方が若い健常者と同様に暮らし,社会参加が可能な環境が整いつつある.生活のための移動手段としての車いすは,ベッドから室内そして屋外へと行動範囲の拡大を支援する.これらは,QOL(Quality of Life)の改善に役立ち,社会的意義は極めて大きい.本研究では,高齢者,足の不自由な方,さらには,介護者が使いやすい次世代車椅子のための要素技術の開発,特に,高齢者の安全確保などを考慮したインテリジェントなインターフェースを開発することが目的とし,主として「屋外環境における画像処理」として,屋外環境における画像処理に適したセンサとしてオムニカメラを提案し,オムニカメラを利用した屋外自律走行車両の開発についての研究をまとめた.「屋外環境における安全走行制御」として,オムニカメラを前提とした画像処理法と車いすの制御について考察し,自律走行車への視覚認識制御の実装として研究をまとめた.さらに「システムの統合」として,屋外環境での自己位置認識のためのセンサとしてDGPSを利用し,実際に車いすを安全にウェイポイント走行を行うシステムを開発し,それらの成果を,DIFFERENTIAL GPS と INSを使用した WAYPOINT NAVIGATIONによる屋外自律走行車両の開発についてと,いう形で,まとめた.以上3つのアプローチから研究を実施し統括を行った.
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