内返し・外返しの軸周りに受動自由度を有する足関節底背屈訓練装置について、個別対応の度合いを高めるため、現有プロトタイプの改造を行い、可動範囲の拡張および踵支持部の位置調節機能の付加を行った。研究分担者は、足部の解剖学的知見に基づき、足部固定用ベルトの形状について再検討を行い、その結果に基づいてベルトの改良を行った。 装置の内返し・外返し軸周りに導入する減衰要素について、現有プロトタイプに減衰要素概念モデルを装着して模擬実験を行い、減衰要素のもたらす効果を確認した。実験の結果、減衰要素の装着により、内返し・外返し軸周りの急激な運動を回避可能であることが分かった。また、強度を調整することによって、内返し・外返し軸周りの運動負荷を調節できる可能性が示唆された。模擬実験に用いた概念モデルは、プロトタイプの動作と干渉を生じるため、プロトタイプに装着して動作が可能な減衰機構の設計・試作を行った。 訓練効果の指標について検討するため、被験者実験を行い、訓練動作中および動作前後の関節角度、筋電、足圧分布、血流量、深部体温の計測を行った。実験に先立ち、研究分担者は足部の循環状態を計測するために適した血流量センサ装着位置に関して、臨床の見地から検討を行った。実験で得られたデータのうち、血流量の変化と関節の運動の間に関連性が見られるという結果が得られた。これについては、次年度さらに実験を行って妥当性を検証する予定である。 これらの成果を取りまとめて、リハビリテーションロボティクスに関する国際会議へ投稿し、採択された(平成19年度に発表予定)。
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