研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、健常者を対象として、微細な制御が求められる「上肢の小さな筋(手の筋)」および、大きな力発揮が求められる「下肢の大きな筋(大腿の筋)」から記録された運動単位発射データからコヒーレンス解析を施すことにより、中枢神経系がα運動ニューロンを支配しているメカニズムの一端を明らかにしようとするものである。平成18年度においては、運動単位発射頻度を正確に記録できる状況を整えることを第一の目的として実験を遂行した。4名の被験者を対象として、低強度(随意最大収縮(MVC)筋力の5%程度)の持続的な等尺性膝伸展力発揮時の力信号、およびその力発揮の主動筋のひとつである内側広筋における筋内電気信号を四極ワイヤー電極から双極導出にて2チャンネル同時記録した。記録された筋内電気信号を、Spike2ソフトウエアを用いてテンプレートマッチング法により、個々の運動単位活動電位発射列へと分離分解した。その結果、4名の被験者から記録された筋内電気信号の解析から、以下のようなことが解った。低閾値でしかも運動単位間の動員閾値差が極めて小さい場合(動員閾値差=0.2%MVC)においても、「動員閾値の大きい運動単位は、動員閾値の小さい運動単位よりも平均発射頻度が低いこと("onion skin現象")。」が確認された。また、低強度で持続的に一定の力を発揮していた歳に持続発射をしていた運動単位の発射頻度を観察したところ、力が一定であるにも関わらず、その運動単位の発射頻度は有意に低下していたことなどが解った。
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