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2009 年度 実績報告書

女性のパフォーマンス空間としてのアスコーナ

研究課題

研究課題/領域番号 18500462
研究機関名古屋大学

研究代表者

山口 庸子  名古屋大学, 国際言語文化研究科, 准教授 (00273201)

キーワード舞踊 / 美術史 / 精神医学 / 身体文化 / アスコーナ / マリアンネ・フォン・ヴェレフキン / メアリー・ヴィグマン / ハンス・プリンツホルン
研究概要

平成18年度以来の研究「女性のパフォーマンス空間としてのアスコーナ」の最終年度の小テーマは、1)ロシア出身でドイツ語圏で活躍した表現主義の女性画家、マリアンネ・フォン・ヴェレフキンにおける絵画と舞踊の関係、および追加的テーマとして、2)アスコーナを拠点の一つとした舞踊家メアリー・ヴィグマンの活動の調査を挙げた。1)の成果は、第61回舞踊学会大会において、「マリアンネ・ヴェレフキンにおける絵画と舞踊-予備的考察」の発表である。主な内容は、ヴェレフキンにおけるロシア・リアリズムや象徴主義の影響、ミュンヘンのロシア人サークルにおける役割、舞踊家サハロフ夫妻、ヴィグマン、バラとの交流、「心的な運動のリズム」を重視するヴェレフキンの美学とカンディンスキーとの親縁性、画家ミュンターやヤウレンスキーらによるサハロフのスケッチとの比較、である。本発表は、日本ではほとんど知られていない画家ヴェレフキンについての初めての本格的紹介であり、また舞踊史・美術史・およびモダニズムの文化史の観点から見て、舞踊と絵画、あるいは視覚文化と身体文化の相互作用に関する新たな知見を提示することができたと考えている。2)またメアリー・ヴィグマンに関しては、日本病跡学会からシンポジウム「モダンの構造・モダンの病理」に招待される機会を得た。本発表では、舞踊家ヴィグマンと、彼女と恋愛関係にあった精神科医ハンス・プリンツホルンの舞踊観をはじめて比較・検討し、モダニズムにおける表現舞踊と精神医学の緊密な相互的関係を明らかにした。プリンツホルンは、精神病患者の造形芸術を蒐集して解説した『精神病者の描画』の著者でもある。近年ではアウトサイダーアートや、アールブリュットの先駆者と見なされており、絵画と舞踊、視覚文化と身体文化の相互作用という観点からも、意義ある成果であったと考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 表現舞踊と精神医学-メアリー・ヴィグマンとハンス・プリンツホルン2010

    • 著者名/発表者名
      山口庸子
    • 雑誌名

      日本病跡学会雑誌 79号(印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] マリアンネ・フォン・ヴェレフキンにおける絵画と舞踊-予備的考察2009

    • 著者名/発表者名
      山口庸子
    • 学会等名
      第61回舞踊学会大会
    • 発表場所
      筑波大学
    • 年月日
      2009-12-05
  • [学会発表] 表現舞踊と精神医学-メアリー・ヴィグマンとその周辺2009

    • 著者名/発表者名
      山口庸子
    • 学会等名
      第56回日本病跡学会 シンポジウム『モダンの構造・モダンの病理』
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2009-06-13

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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