研究概要 |
18年度の成果を確信するために19年度にも調査を行い資料収集を行った。その結果は以下のように要約された。(1)映像の大部分を大学生による自作とし,「バグズ・ライフ」のような著名映像を使用しなかった。映像の質だけではなく,「大きな映像と踊る」大きなイメージとその実現のための試行が評価されたと考えられる。(2)利用者にとって小道具の存在は大きい。リアルタイムで自分の踊る姿を大画面で見る以上に,自分の身にまとう衣装は利用者を踊りの中身に浸透させる効果,すなわち「なりきって踊る」状況を創出するためには有用である。(3)今回のような映像による試行は,大学生に高評価された。大学生による興味の高まりが意識の高まりとともに利用者に伝えられ,全体の盛り上りに勢いをつけたと推察される。(4)従って,このような試行は,大学生には直接的,利用者にとっては大学生経由の間接的にダンスへの興味向上を招来したと考えられる。(5)小道具,映像等々,様々な工夫は,大学生と交流すること,観客,舞台,照明,本番で踊る等,「踊る楽しさ」を共有する方法としては効果があり,仲間としての意識高揚をもたらした。 利用者が楽しむ環境のひとつとして,大学生の存在は欠かせない。大学生の意欲が高まることは,声かけ,動きの指導,表情などのひとつひとつの接し方に意気高揚の雰囲気を創出する。利用者はその雰囲気に包まれ,自ら意気高揚を招く。大きな映像には「楽しさ」を共有する拠点としての役目を果たしていると思われる。
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