研究概要 |
小学生を対象とした通学合宿を2006年6月19日(月)〜25日(日)の6泊7日の日程にて行った。この間,合宿初日,合宿最終日,合宿終了後1ヶ月の計3回に渡り身体的自己概念,自尊感情などに関する調査を実施した。対象となった人数が10名程度で少なかったため,統計的な手法は用いず分析を行った。主な結果としては,身体的自己概念の下位尺度のうち「筋力」「体型」の尺度と「自尊感情」の得点では時間の経過にしたがい得点の向上がみられた。「運動」「元気さ」「健康」「疲労感」の身体的自己概念の下位尺度ではほとんど変化はみられなかった。しかし,唯一,「身体全般」尺度のみ低下している傾向がみられた。 高齢者運動教室に通う65歳以上の高齢者367名(男性82名,女性285名)を対象として,体力テストおよび各種質問紙を実施した。しかし,分析には全ての項目を遂行した195名(男性44名;女性151名)を対象とした。重回帰分析により,自己概念の多面的階層性モデルについては部分的に支持された。体力と自尊感情との関係性については直接的な影響はあまりみられなかったが,中間に身体的自己概念を想定することで,間接的には関連性のあることが示唆された。 夏休み長期キャンプ(約20日間)に参加する子どもたち約30名に対して,キャンプ初日,キャンプ中日,キャンプ最終日,キャンプ終了後1ヶ月の計4回に渡り身体的自己概念,自尊感情などに関する調査を実施した。全体的な特徴としては,自尊感情,身体的自己概念とも,右上がりの傾向が見られ,それぞれの項目が向上していることがうかがえた。とりわけ,「健康」「体型」「身体全般」にそのような傾向があった。詳細な分析などについては,今後,継続して行う予定である。 また,スポーツ動機づけ研究会(名古屋),日本スポーツ心理学会(沖縄)にも参加・発表し,意見の交換や情報収集を行った。
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