研究概要 |
本研究は,卓球選手を対象に,フォアハンドによるドライブ打法(肩関節の水平屈曲・水平伸展が顕著な大きなスイング)とフリック打法(手関節の屈曲・伸展や内転・外転が顕著な小さなスイング)における,瞬時の動作修正時のスイング様式を検討しようというものである。検討課題は,以下の2点である。 1)各打法における,打球のおよそ160〜180ms前のイレギュラーバウンドへの対応時のラケットの動き,ボールの動き,上肢の動き,上肢の筋活動,および選手の内観と,それらの相互関係 2)スイングの大きさと,瞬時の修正動作の力学的特性との関係 3年計画の2年目にあたる本年度は,これまでに収集したデータから,フォアハンドフリック打法を対象にして,ラケットの動き,ボールの動き,および選手の内観に関する分析を行なった。 フォアハンドフリック打法によるイレギュラーバウンドへの対応において,被験者自身が「自領コートでのバウンド時にボールが跳ね上がらず,急に転がったため,ラケットの動きを修正した」など,瞬時の動作修正を行なったと指摘する試技が,複数みられた。これらの試技では,自領コートでのボールバウンドから110ms前後で,ラケットの速度がレギュラーバウンドへの対応の場合と比べて小さくなるなど,卓球選手の瞬時の動作修正時のラケットの動きが明らかとされた。 今後の展望 来年度には,フォアハンドドライブ打法に関する分析を行ない,それらの結果とフォアハンドフリック打法に関する本年度の結果を比較検討することなどから,研究成果をまとめる。
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