本年度は、イベント開発とマスメディア活用を主とするスポーツ振興キャンペーンのアクションリサーチの最終評価段階であった。熟年層をターゲットとしたスポーツイベント実践と、中高齢者のスポーツイメージを高めるマスメディア活用のあり方を検討した。プロモーションターゲットとなった市民を対象とした縦断的調査を行い評価分析を行った結果、以下の結果が示された。 1、レジャー便益期待値の影響力が1番強く、次に2008年の運動・スポーツ実施頻度、2008年の健康自己評価レベルであった。 2、性別においては、男性はレジャー便益期待値と2008年の健康自己評価レベルが影響し、女性では支援便益期待値と2008年の運動・スポーツ実施頻度において影響力が観察された。 3、年代別では、中年期においては2008年の運動・スポーツ実施頻度、レジャー便益期待値で影響が示唆された。高齢者では、2008年の健康自己評価レベルと、レジャー便益期待値において影響力が観察された。 運動・スポーツ実施希望種目の数に対しては、過去の運動・スポーツ実施頻度、健康自己評価は影響せず、現在の運動・スポーツ実施頻度、健康自己評価、運動スポーツの便益への期待が影響を及ぼしていることが明らかになった。また、その影響は男性や女性、中年や高齢者によって影響力の強さが異なるということも合わせて明らかとなった。中高齢者においては、数ある運動・スポーツの便益の中でも「遊ぶ」「交わる」「寄り添う」「充たす」「泊まる」「巡る」「忘れる」「触れる」というレジャー要素を含んだキャンペーンプロモーションが、運動・スポーツ実施ニーズを高めることが明らかとなった。
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