平成18年度から3年聞の予定で実施される本研究の目的は、15世紀後半の「トーナメント団体」による「トーナメント規則」の成立過程、規則内容の分析、規則の歴史的意義を解明することである。 研究初年度である本年度は、次のような課題を設定した。(1)14世紀に登場する小さな地域に限定されたトーナメント団体が、15世紀後半に4つの大きな団体に統合していく過程を明らかにする。その上で、(2)14世紀以降の個々の団体によるトーナメント規則が15世紀後半の統一的な規則へと変遷する経緯を解明する。このような研究課題を達成するために、先行研究の収集とドイツでの資料調査を実施した。 (1)先行研究の収集.トーナメント団体の成立と密接に関連している「騎士団」に関する図書を購入すると当時に、北海道大学・東京大学・京都大学図書館の関連文献のコピーを入手した。特に、トーナメント団体の規則に関して重要な先行研究であるL.A.Freiherr von Gumppenbergの著作(1862、1866)のコピーを入手し、内容の分析を行った。その結果、トーナメントの開催を主目的とするトーナメント団体は14世紀半ばに成立し、15世紀後半に4つの大きな団体に統合されたことが明らかになった。 (2)トーナメント規則に関する史料調査.14世紀半ばに成立するトーナメント団体が策定したトーナメント規則の所在を明らかにするために、ドイツのバンベルク州立文書館とニュルンベルク州立文書館において、1478年のバンベルク規則と1482年のニュルンベルク規則に関する史料調査を実施した。
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