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2007 年度 実績報告書

プレッシャーが身体運動に及ぼす認知的・情動的影響

研究課題

研究課題/領域番号 18500486
研究機関広島大学

研究代表者

関矢 寛史  広島大学, 大学院・総合科学研究科, 准教授 (40281159)

キーワードプレッシャー / パフォーマンス / 認知 / 情動
研究概要

本年度は、卓球のフォアハンドドライブを課題として、高いパフォーマンスを発揮しなければならないという心理的プレッシャーが身体運動、認知ならびに情動反応に及ぼす影響を検討した。卓球初心者の右利きの大学生男子16名、女子12名の計28名が実験に参加した。実験参加者は球出し機から打ち出されたボールをフォアハンドで、卓球台上の複数の同心円の中心を狙って打ち返した。50球の習得試行の後、10球のプリテストを行い、さらに100球の習得試行の後、10球のポストテストと被験者ごとに決められた基準得点を超えると賞金が与えられるというプレッシャーテスト10球を行った。プレッシャーの操作チェックとして測定した脈拍数は、ポストテスト中の平均90.0bpmからプレッシャーテスト中の平均93.4bpmまで有意に増加した(p<.05)。また、状態不安得点も安静時の平均39.5点からプレッシャーテスト直前の平均43.1点まで有意に増加した(p<.05)。実験後に回答した質問紙の分析に基づく認知的変化としては、賞金獲得や不安に対する注意散漫度の増加が、身体運動に対する意識的処理の増加に比べて多くの実験参加者で認められたが、5名の実験参加者においては、両方の認知活動の増加が認められた。これはプレッシャーによるパフォーマンス低下の原因を注意散漫もしくは過剰な意識的処理のどちらか一方に帰属する先行研究に反する結果であった。また、的への的中度を調べたパフォーマンス得点は、ポストテストからプレッシャーテストに変化はみられなかったが、バウンド地点の分析結果によれば、卓球台のエンドライン方向の偏りが有意に左側にシフトし、サイドライン方向の偏りは奥にシフトする傾向がみられた。今後はラケット運動の解析を行い、状態不安、脈拍数、注意の変化なども含めた変数間の関係性を検討する必要がある。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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