本研究は、総合型地域スポーツクラブにおけるボランティアの確保に向けた工夫や現状と獲得されたボランティアの活用方法の実態や課題を明らかにすることによって、総合型地域スポーツクラブにおけるボランティアの確保と活用に関するマネジメントのあり方について追究することを目的とするものである。 本年度は最終年度にあり、既に昨年度までに集計・分析された研究の成果を「研究成果報告書」として作成するとともに学会発表・雑誌論文への投稿によって研究成果を社会に公表することが、本年度の目的となる。 昨年度で完了した集計・分析作業の結果から、学会発表へと結びつけようとしたところ、さらなる分析が必要となったため分析作業を継続した。今年度の分析結果からは、 1.総合型地域スポーツクラブ内のボランティアの活動内容から、「1.代表者・役員」というクラブの経営・会議を担当する役割、「2.マネジャー等」といったクラブの事務を担当する役割、「3.実技指導他」といった実践現場で活動を行う役割と考えて、「クラブ内の役割」を3つの役割と捉えることができた。 2.総合型地域スポーツクラブのボランティアの参加動機に対する因子分析の結果、「学習」「理念実現」「人間関係」「社会貢献」「自己活用」「交流」の6因子が抽出された。 3.参加動機因子を役割別に比較した結果、総合型地域スポーツクラブ内の役割によって、「学習」因子と「自己活用」因子において参加動機の違いが見られた。 本研究の成果により、総合型地域スポーツクラブを手伝うボランティアの募集において、また、ボランティアの活用においても各役割に応じた期待を満足する活動の内容や方法を検討・開発することの重要性が示唆された。
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