本研究の目的は、19世紀のドイツ国境地域(主として西南ドイツ)における体操協会の市民的共同の内実を解明することにある。 本研究では、主に以下の研究成果をえた。 第1に、西南ドイツにおける協会組織(体操協会、合唱協会など)の性格と役割を類型化したことである。 第2に、体操協会を媒介に法制度を含む国家・地方行政(権力)と民衆とのせめぎあい、緊張関係を実証したことである。 第3に、ドイツ国境地域あるいは国外で活動する人物の経歴や体操協会の活動実態を概観したことである。 なお、本研究のプロセスで各種文書館に所蔵されている第1次史料の発見と収集、そしてドイツ人研究者との交流の促進があったことを付記しておく。
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