研究概要 |
本研究の目的は,状況判断,相手との駆け引き,味方とのあわせといった戦術的な要素が指導場面で強調されることが多い球技スポーツにおいて,一流競技選手の持つ動きのコツ(「どのような感じで動くとできるのか」といった主観的な情報)を,アンケートとインタビューによって調査し,(1)一流競技選手の持つ実践知を知識化すること,(2)ジュニア期における球技選手の効果的な指導に役立つ知見として実践現場に提供することである。 平成19年度は,これまでに行ったインタビュー調査結果を検討し、まず,国際レベルで活躍したハンドボールのゴールキーパーの動きのコツを知識化し,効果的な指導に役立つ知見を明らかにした。〔掲載:「国際レベルで活躍したゴールキーパーの動きのコツに関する事例研究」(財)日本ハンドボール協会ハンドボール研究,9:69-74.〕 次に,国際レベルで活躍したハンドボールのゴールキーパーとシューターの動きのコツを,現象学的態度を持ち合わせて質的に分析し,卓越した選手の個人戦術の実践知について明らかにするとともに,個人戦術の達成力の向上に寄与できる知見を導いた。〔掲載:「ハンドボールのシュート局面における個人戦術の実践知に関する質的研究:国際レベルで活躍したゴールキーパーとシューターの語りを手がかりに」体育学研究,53(1):61-74.〕 さらに,国際レベルで活躍したハンドボール選手の動きのコツの事例を冊子にまとめ,主にジュニア期の指導者に配布した。また,調査結果の一部をハンドボールの専門月刊誌で発表し,ジュニア期における球技選手の効果的な指導に役立つ知見を,広く実践現場に提供した。〔掲載:(株)スポーツイベント「ハンドボール」(2007年7月号,2007年12月号)〕
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