「研究の目的」重度障害者が卒業後も継続できる、身体活動及びスポーツの場とそのプログラムを作成提案し評価すること。 「研究の計画と方法」重度障害者が運動及びスポーツ活動に関わっている現場での取り組みをレポートし、その取り組みにおいて、重度障害者がさらに継続的に参加できるようなプログラム内容を提案する。さらに卒後間もない重度障害者が参加したいと思えるプログラムを、あらゆる現場での実践を通して考え提案する。 「結果及び今後の課題」重度障害者が活動できるスポーツサークルは、障害者スポーツセンターなど、多くの方々の協力が得られる場で行っているスポーツ(水泳やボッチャ)と、重度障害者の家族が集まり、主体的に仲間を集めて行っているもの(ダンスなど)に分かれた。いずれにしても家族以外の協力者(ボランティア)が必要となるが、多くの青年期における重度障害者が参加しているグループでは、若いボランティアが一緒に参加する仲間として活動に加わっている点である。重度障害者のスポーツ参加への理解がある協力者をコンスタントに得るためには、短期および大学等における学生の主体的な参加をサポートする大学レベルの取り組み(学生が単位を取得できる。社会活動を大学が評価するなど)があると良い。学生と重度障害者(及びその家族)のニーズが一致することによって、たとえ学生は年度ごとに入れ替わっても内容を引き継げるようなシステム作成は可能となる。青年期の重度障害者には、同年代の仲間との交流という刺激が参加への意欲を高め自立を促す。 福祉系以外の大学においても社会のニーズに応えられるような学生の教育および実践の場をカリキュラムに取り入れるようなカリキュラム改革が必要であり、それを構築する事が今後の課題である。
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