研究課題/領域番号 |
18500506
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
南條 博 秋田大学, 医学部, 講師 (70250892)
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研究分担者 |
増田 弘毅 秋田大学, 医学部, 教授 (60103462)
川村 公一 秋田大学, 医学部, 准教授 (00091801)
高橋 正人 秋田大学, 医学部, 助教 (10315806)
小林 実貴夫 秋田大学, 医学部, 技術長 (20375306)
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キーワード | 毛細血管 / 骨髄由来 / 内皮細胞 / 心臓 / トレーニング / 樹状細胞 / 骨格筋 / 大動脈 |
研究概要 |
平成18-19年度の本研究で、二種類の骨髄キメラマウスを用いた病理形態学的検討により、以下の研究結果を得た。 1.トレッドミルを最長16週間連続負荷する長期フィジカルトレーニングマウスモデルを確立した。 2.脳、心、肺、肝、脾、腎、膵、消化管、胸腺、骨格筋等の全身諸臓器毛細血管へのドナー骨髄由来細胞の基本的な動態と、骨髄由来細胞の多くは血管内皮細胞であることを確認した。 3.全身諸臓器のなかで、心筋の毛細血管に最も多くの骨髄由来内皮細胞を認めた。 4.心臓弁、腎臓毛細血管に多数の骨髄由来内皮細胞を認めた。 5.肝臓の類洞と脾洞に骨髄由来内皮細胞を認めた。 6.血液脳関門に骨髄由来内皮細胞ないしグリア細胞を認めた。 7.上行大動脈起始部に骨髄由来内皮細胞を、大動脈内皮直下に多数の骨髄由来樹状細胞を認めた。 8.骨格筋の骨髄由来内皮細胞は極端に少なかったが、フィジカルトレーニングにより骨格筋毛細血管へより多くの骨髄由来内皮細胞を動員しえた。 9.ドナー骨髄由来の上皮細胞、神経細胞、心筋細胞、骨格筋細胞は見られなかった。以上、全身諸臓器における骨髄由来内皮細胞の分布及び動態の臓器及び部位による不均等性と、トレーニングによる臓器毛細血管の活性化が示唆された。骨髄由来内皮細胞の基本的な分布や動態には血流量や血流の変動と密接に関連している可能性がある。漠然と動脈硬化症や糖尿病等の成人病予防ないし老化予防に有効とされているトレーニングの基盤的意義の一部を、全身諸臓器毛細血管の活性化という視点から明らかにした。
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