研究課題/領域番号 |
18500514
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
山倉 文幸 順天堂大学, 医学部, 助教授 (20053358)
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研究分担者 |
内藤 久士 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助教授 (70188861)
高 ひかり 順天堂大学, 大学院医学研究科, 助手 (60338374)
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キーワード | 活性酸素 / 活性窒素 / プロテオミクス / ラット / 運動 |
研究概要 |
本研究の目的は、ラットの運動がタンパク質の酸化的修飾、ニトロ化修飾へ及ぼす影響をプロテオミクス手法で解析することである。我々は生体の新たなニトロ化修飾マーカーとして6-ニトロトリプトファンを見いだし、その特異的検出法を開発してきた。この新しいマーカーは、炎症などの活性酸素と一酸化窒素が同時発生する状態下で生じる活性窒素種がタンパク質を修飾して生じると考えられる(Yamakura, Ikeda(2006))。同様な仕組みで生じると考えられる3-ニトロチロシンはすでに幅広くマーカーとして用いられているが、本マーカーとは部位特異性が異なる。我々は、既にこの新しいマーカーの特異的ポリクロナル抗体を開発し、生体系でのプロテオミクス解析に本抗体を適用する試みとして、活性窒素を加えたPC12培養細胞を材料にし、プロテオミクス解析で5つの6-ニトロトリプトファンを含むタンパク質の同定に成功した(Ikedaら(2007))。今回は、自然発症高血圧ラット(SHR)を材料とし、高血圧発症に伴うラット臓器、筋肉等のタンパク質の活性酸素・活性窒素による修飾と、高血圧発症後の運動による修飾への影響に絞って検討を加えることとした。SHRは15週齢で高血圧を発症する。15週から10週間自発運動を行わせ、25週齢で運動群と非運動群での酸化およびニトロ化タンパク質の検出を行う。高血圧発症時である15週齢および高血圧発症前である5週齢のラットをコントロールとする。我々は、既に25週齢の非運動群ラットにおいて、骨格筋および大動脈血管のタンパク質抽出物中のニトロチロシン量が増加し、運動群ではその増加が抑制されることを見いだしている。今後、ニトロトリプトファンおよびヒドロキシノネナールの測定を行い、違いを検討し、変化が見られた臓器において、さらにプロテオミクス解析へと進めてゆく予定である。
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