研究概要 |
平成19年度に調査協力の承諾を得られた高齢者を対象にして運動行動のステージ別にランダムに2群に分け,一方を統制群,他方を介入群として運動行動のステージに対応した運動行動変容のための啓蒙・教育・実践マニュアルによる介入(郵送)を実施した.平成20年度はTTMに基づく運動行動のステージ別の介入用プリント・メディア教材の介入効果を検証するために,平成18年度の第1回調査と同じ質問項目より構成された調査質問紙を用いて介入群と統制群に郵送調査を実施した。 平成20年度の調査結果の概要は以下のとおりである。 1)有効分析者数は介入群で325人(男性168人、女性157人)、統制群で283入(男性164人、女性119人)の計608人であった。有効回収率は75,9%であった。 2)TTMの構成要素である「意志決定のバランス」と「セルフ・エフィカシー」については、先行研究結果を追認する結果であった。 3)変容プロセスは介入群の方が統制群に比べて、熟考ステージ、準備ステージおよび実行ステージで有意な変化がみられた。したがって、運動行動のステージに対応した運動行動変容のための啓蒙・教育・実践マニュアル(プリント・メディア)による介入は有効であることが示唆された。 現在、第1回目調査結果と第2回目調査結果を比較分析して、運動行動変容に介在・関連する要因の分析を進めている。併せて、介入に用いた啓蒙・教育・実践マニュアル(プリント・メディア)の有効性と改善点も検討中である。
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