女子大学生を対象にライフスキルを高める教育と生活習慣を改善する健康教育を行うことが、健康状態を改善させ、月経痛を緩和する方法として有効であるかを検討した。 本研究に参加することを承諾した28人を対象に健康教育を平成19年10月〜平成20年3月の間に次の要領で実施した。1.月経痛緩和のための一般的健康教育(講義2回と月経痛緩和体操講習1回)を対象者全員に行なった。講義内容は、(1)月経痛の起こるしくみ(2)月経痛を緩和する生活上の工夫(食習慣、休養の仕方)(3)鎮痛剤、ピルの月経痛への効果と使用法であった。終了時に全員に健康教育の内容を記載した冊子を配布した。2.ライフスキル形成のための介入的個別教育を一般教育終了2ヶ月後、11人を対象に開始し、現在も継続中である。その内容は(1)ストレスマネジメントの講習と(2)月経や健康状態を記録した月経日誌を基にした1ヶ月1回の個別の健康指導である。現在2〜4回実施した。今後6回まで実施する予定である。 3.健康教育の効果を評価するための調査(月経状態、健康状態(CMI健康調査票など)、生活習慣、自尊感情、自己効力感)を、一般教育実施前、一般教育実施1ヶ月後、一般教育実施2ヶ月後(個別教育実施前)に行なった。今後個別教育開始2ヶ月後、4ヶ月後、6ヶ月後、1年後に行なう予定である。一般教育終了1ヶ月後では、全員が食事、休養や体操など月経痛緩和のためになんらかの生活習慣を変えていたが、一般教育終了2ヶ月後まで継続している者は少数であった。一般教育による月経痛緩和効果は全体では明瞭ではなかったが、鎮痛剤の服用を早めるなど使用法を変えた者、ピル服用開始者では痛みの軽減が見られた。
|