研究課題/領域番号 |
18500535
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
塩田 瑠美 千葉大学, 教育学部, 助教授 (90361401)
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研究分担者 |
野村 純 千葉大学, 教育学部, 助教授 (30252886)
花澤 寿 千葉大学, 教育学部, 助教授 (50238044)
加藤 修 千葉大学, 教育学部, 助教授 (20302515)
野崎 とも子 千葉大学, 教育学部, 助手 (80125947)
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キーワード | メンタル技法効果 / 休養 / 体位 / 養護教諭 / ストレス応答 / 生理活性物質 / POMS短縮版 / 自己評価(振り返り) |
研究概要 |
養護教諭は学校において児童生徒の身体的健康とともに心の健康を支援し、その支援過程において様々な非言語的メンタルケア技法を実践している。そこで本研究は、養護教諭の経験知や経験的主観に因る現在の実践技術の効果を科学的に評価し、その有効性を検証するものである。 本年度は、来室した児童生徒のストレス緩和のために養護教諭が行っている休養またその時に付随して行われる技法の効果について検討した。 被験者に体位(椅子に座る・ベットに横になる・立位)と条件(ストレス:負荷・毛布の使用・時間経過等)を課し、実践前後及び経過中のストレス応答の変化(唾液:アミラーゼ・コルチゾール・DHEA・slgA・CgA)(2)心理的変化(POMS短縮版)(3)アナログスケールによる自己評価より検証した。 その結果、休養の体位と条件を見てみると、ストレス応答物質の量が減少したのは、「座位+毛布」「横位+毛布」であり、増加したのは、「座位のみ」「横位のみ」であった。またさらにこれらを時間の経過で見てみると、開始後20分後に顕著な変化が現れた。また、これらの変化は個々の対象者間で見ると個体差が大きかった。したがって個体差も影響要因であった。 また、体験後の自己評価では、休養の効果が高いのは「横位+毛布」「座位+毛布」であり、ここでは精神の安定・安心感、ぬくもりの獲得・思考の整理が見られた。なお、心理検査においては、今回時間ごとに頻回におこなったこと、対象人数等により明確な結果が得られず、今後の検討事項である。 今回は、養護教諭が行う非言語的メンタル技法のひとつである休養とその条件に視点を当て検証した結果、休養の体位と条件によってその有効性に差異があること、さらに、身体の反応における時間経過にも影響することが示唆された。
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