研究課題
基盤研究(C)
近年、中高年者の登山ブームであり多くの中高年者が3000m級の山を目指している。一方で、中高年登山者の山岳遭難が増加し、とりわけ発病による救助要請が増えている事が社会問題となっている。中高年登山者には、高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病をもったものも少なくない。生活習慣病をもったものが登山をすると、どのようなメリット・デメリットがあるかを調査した報告は少ない。そこで、より現実的なデータを得るために、奥穂高岳登山者と御嶽山登山者を対象として登山前後の血圧や血清脂質の変化を調査した。1.奥穂高岳登山者を対象とした血圧の変化の検討50歳以上の奥穂高岳登山者91名を対象とした。入山地点である横尾山荘(標高1700m)と穂高岳山荘(標高2996m)にて、血圧、脈拍、経皮的動脈血酸素飽和度(Sp02)の測定を行なった。高血圧の内服治療中である14名をH群、それ以外をC群として検討した。穂高岳山荘では、両群とも有意に脈拍数は増加し、Sp02は低下していた。血圧については、H群では収縮期血圧が有意に低下し、C群では拡張期血圧が有意に上昇した。高血圧患者であっても、コントロール良好であれば特に問題ないと思われたが、。普段よりも収縮期血圧が低下する事も考えられ注意が必要であると思われた。2.御嶽山登山者を対象とした脂質検査の変化1泊2日の御嶽山登山参加者21名を対象として、血清脂質検査を登山前後に行った。その結果、中性脂肪は減少し、遊離脂肪酸、HDLコレステロールは上昇した。総コレステロールには変化はみられなかった。
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