| 研究概要 |
本年度は,平成18年度に続いて眼電図(EOG)およびヒテオカメラを用心い,ヒトの車運転時の眠気やマイクロスリープを判定する手法の開発・改良に努めるとともに,CCDカメラ(IEEE1394)を新たに導入し,リアルタイムで眼瞼および眼球運動を測定・解析するシステムの開発を行った。その結果,これらの装置を併用することにより眠気やマイクロスリープを高精度に判定可能であることを明らかにした。特に眼瞼間距離の短縮は神経活動の低下,ひいては眠気の指標として有用と考えられる。I
睡眠時の血液の酸素化や代謝情報を得る目的で,近赤外分光装置(NIRS)を用いた酸素飽和度計測法の開発に関しては,平成18年度に静脈阻止法を用いた静脈血酸素飽和度(SvO2)測定上の問題点を検討し,静脈阻止圧の影響,算出方法の違いによる影響は少ないが,発光素子と受光素子間距離の影響は大きいことを明らかにした。今年度はNIRSを用いたSvO2と血液データとの比較実験を行い,両者間にかなりの隔たりがあることを確認した(未発表)。一方,NIRSを用いた動脈血酸素飽和度(SpO2)測定法の開発に着手し,心拍動ごとにSpO2を算出する新たなアルゴリズムの開発を行った。市販のパルスオキシメータとの比較実験から,心拍動ごとにSpO2を算出することに:より,応答性の速い装置開発ができたと考える。
さらに,閉塞性無呼吸の予防策として提案されている伏臥寝の影響について,呼吸生理学の視点からその影響を検討した。その結果伏臥姿勢は,仰臥,横臥姿勢に比較して,毎分換気量が増大する傾向にあることが明らかにした。しかしながら,平均心拍数,心拍変動高周波ゆらぎには姿勢による明らかな違いは認められなかった。
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