★交付申請書に記した研究目的は、中高齢者の歩行筋電図波形を評価するデータベースを作成すること、およびフィードバックトレーニングのシステムを構築することであった。 ★19年度の研究成果は、1)特徴的な各種平地歩行動作における下肢筋活動の分析、2)坂道歩行中の筋活動様式ならびにその定量分析であり、これらは20歳前後の男性を対象に、いずれも平地歩行との比較において坂道歩行や特徴的な歩行を行った際の筋放電パターンや放電量がいかに変動するかを明らかにした。これらによって、中高齢者のデータを対照させるデータの一つとして、まずは青年男子における平地歩行時の筋電図パターンと放電量のデータが得られ、また、筋放電パターンを変動させ筋放電量を増減させる因子がいかなるものであるかが示唆された。この結果は、転倒予防の対応が求められる対象者に自らの筋の作用を変更させるために験者側からどのように指示すべきかの具体的内容を導き、フィードバックトレーニングの可否に強く関わる内容である。 今後は、青年女子のデータを得るとともに、青年男女における性差を明らかにする計画である。
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