研究課題/領域番号 |
18500551
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
堀口 雅美 札幌医科大学, 保健医療学部, 准教授 (10217185)
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研究分担者 |
田中 豪一 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (10167497)
澤田 幸展 札幌医科大学, 医学部, 教授 (40045539)
加藤 有一 札幌医科大学, 医学部, 助教 (90363689)
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キーワード | 指尖容積脈波 / 血管内皮機能 / 指動脈弾性特性 / 心理的影響要因 / 上腕-足関節脈波伝播速度 / 怒り表出尺度 |
研究概要 |
指動脈弾性特性と動脈硬化に関する危険因子の影響を検討するため、心血管系の簡易健康評価法の測定と心理・社会的因子を質問紙により調査し、関連を分析した。心血管系の簡易健康評価法として指動脈の弾性を表す指動脈弾力指数(Finger arterial elasticity index:FEI)、指血管内皮機能を反映する指動脈流量依存拡張率(Finger arterial flow-mediateddilation ratio:FDR)を考案し、基準測度として上腕-足関節脈波伝播速度(baPWV)を測定した。 実験1:青年期女性40名を対象に心血管系健康指標と怒り表出尺度(STAXI-2)との関連を検討した。「人格特性としての怒り」が高い、あるいは「怒りの表出を自我の外に向ける傾向」が高いことが、血圧やbaPWVの上昇に関与すると考察された。FEIとSTAXI-2尺度、FDRとSTAXI-2尺度の間には相関はなかった。 実験2:青年期の男性35名と女性40名を対象に心血管系健康指標とSTAXI-2を測定・調査し、性差を検討した。女性ではbaPWVと「外に向ける怒り表出」で正の相関、男性ではbaPWVと「外に向ける怒り抑制」で正の相関が認められたことから、動脈硬化指標と怒り表出尺度との相関には性差のあることが示唆された。 実験3:青年期女性110名を対象に食習慣、人格特性、ストレス認知を調査し、うち79名について心血管系健康指標の測定をした。その結果、怒り・攻撃性・抑うつ・不安の増加、コヒアレンス感・いきいき度の低下、ストレッサー尺度・知覚されたストレスの増加と食習慣の不健康度は正の相関を示し、食習慣の不健康度はBMIと正の相関を認めた。食習慣の不健康度とbaPWVとの間には相関は認められなかった。平成20年度は指動脈弾性特性と心理・社会的因子に血液データを加えて検討する予定である。
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