研究分担者 |
樋口 満 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (20192289)
鈴木 克彦 早稲田大学, 人間科学学術院, 講師 (80344597)
町田 修一 早稲田大学, 生命医療工学研究所, 客員講師(専任扱い) (40421226)
秋本 崇之 早稲田大学, 生命医療工学研究所, 客員講師(専任扱い) (00323460)
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研究概要 |
独立行政法人国立健康・栄養研究所(新宿区戸山)を拠点とした大規模疫学フィールドの立ち上げ(1000名規模)と体力・身体組成の測定と血液サンプルの採取、身体活動量、食事調査の実施はすでに終了している。本研究は、2006年12月に早稲田大学「人を対象とする研究等倫理審査会」において承認され、ヒト血液サンプルから採取した肥満関連遺伝子(FABP2遺伝子,PPARG遺伝子,PPARA遺伝子,レプチンレセプター,β2アドレナリンレセプター,β3アドレナリンレセプター,GNB3,UCP1,UCP2,UCP3)の解析を始めている。本年度は、30歳以上の日本人男女を対象として、最大酸素摂取量、DXA法による身体組成およびPCR法による複数の肥満関連遺伝子多型について解析した。その結果、最大酸素摂取量を指標とした低体力はメタボリックシンドローム(MS)の有無やリスクファクターと関連し、男性35ml/kg/min、女性26ml/kg/minがMS予防のための有酸素能力の目標値として示され々肥満関連遺伝子多型との関連に関しては、PPARGのC1431T多型およびPro12AlaのワイルドタイプがMSのリスクファクター保有数と関連したが、UCP1、ADRB3、およびFABP2ではその関係は認められなかった。さらに、低体力はPARGのC1431TおよびPro12Ala多型の有無に関わらず高体力者よりも肥満しており、MSのリスクファクター保有数が多かった。この結果から、MS予防のためには有酸素能力を高く保つことが重要であると考えられる。今後は、大規模被験者を対象とした東京農工大の全自動SNP解析ロボットによる他の肥満関連遺伝子の解析を進め、肥満の遺伝的、環境的要因を網羅した肥満リスクの分類と運動処方プログラムの作成に取り組む予定である。
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