研究課題
本研究は、肥満関連遺伝子多型、二重X線エネルギー吸収法(DXA法)による身体組成、メタボリックシンドローム(MS)のリスクファクターおよび最大酸素摂取量との関係について検討し、有酸素能が肥満関連遺伝子多型の有無と独立してMSに関連するかどうかについて検証することを目的とした。本研究は、早稲田大学「人を対象とする研究倫理審査委員会」にて承認され、被験者から本研究に任意に参加する旨の同意を得た。被験者は、健康な成人男女206名(健常群165名、MS予備群41名)とした。全被験者は、問診票の記入および安静時血圧の測定後、採血を行い、中性脂肪、HDLコレステロール、血糖値を測定した。最大酸素摂取量は自転車エルゴメーターを用いた漸増負荷法によって測定した。身体組成の測定は、DXA法によって行った。PCR-RFLP法によって、β3アドレナリン受容体(ADRB3 T64A)、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体γ(PPARγ C1431T)、脱共役タンパク1(UCP1 A3826G)、脂肪酸結合タンパク2(FABP2 A54T)の遺伝子多型を解析した。最大酸素摂取量は、男女ともMSの有無と有意に関連した。MSのリスクスコア(Z値)は、男性で最大酸素摂取量が32ml/kg/min、女性で26ml/kg/minを下回った場合に有意な増加を示した。PPARγ遺伝子のC1431T多型は、MSのリスクファクター保有数と関連し、低体力はこれらの多型の有無に関わらず高体力者よりもMSのリスクファクター保有数が多かった。本研究の結果から、有酸素性能力を高く保つことは肥満関連遺伝子変異(PPARγ C1431T多型)の有無と独立してMSのリスクファクターと関連しており、MSの予防には習慣的な有酸素運動の実践が重要であることが示唆された。
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