本研究は、障害児も非障害児も共に学習効果が高まる家庭科を目指した新しい家庭科学習プログラムを開発することを目的としており、本年度は次のことを実施した。 1.家庭と連携した家庭科学習を支援するツールとして次の2種類を開発し、作成した。 (1)学習者が自主的・自発的活動を誘発する「手がかりツール」 自発的な知識習得の手がかりとなるツールとして、「食品カード」と「食事ポイントポスター」「栄養と健康関連シール」などを開発した。そして、実践を助ける手がかりツールとして、「食事チェック表」を開発した。 (2)学習者の主体的な活動を動機づけ維持するための「強化記録ツール」 子どもの行動を記録・管理し、保護者との問で相互的な『正の強化』の形成をめざすツールとして、食事チェック表への教師・保護者のコメント記入欄を開発した。 2.特別支援教育を成功させるための家庭と連携した家庭科授業モデルを開発し、それを実践してその有効性を実証的に検証した。その結果、特に子どもの食物選択行動への保護者のコメントによる強化は有効であった。
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