18年度は、全国都道府県から幼稚園・保育園を抽出してアンケート調査を実施すると共に、実際に幼稚園や保育園を訪問し、仲間入りの表現を収録した。 アンケートの内容は、仲間入りの表現、何歳くらいからその表現を使い始めるのか、仲間入りの際の援助の方法などである。これらのアンケートを集計し、仲間入りの際に決まり切った言い方があること、地方によってはその言い方が異なることが明らかになった。回答のあった幼稚園・保育園の中から様々なきまりきった表現を持つ特徴的な園を抽出して、訪問した。できるだけ、地域に偏りがないように抽出した。 訪問した園では、保育者に子どもたちの仲間入りの様子について聞き取り調査すると共に、子どもたちの仲間入りの言葉を録音した。保育者には、最近の子どもの遊びや仲間との関係についての実態について尋ね、子どもたちに「仲間入りの時になんて言うの」「仲間に入れてもいい時なんて言うの」「だめなときはなんて言うの」とインタビューした。その言い方を主に5歳児の子どもを中心に、いろいろな子どもの声を録音した。その声を音声分析装置にかけて、イントネーションの特徴などを解析した。地方によって、言い方に違いはあるが、イントネーションがにていることが明らかになった。子どもたちにとって、仲間に入りやすい決まり切った言い方があること、表現の仕方は違っていてもイントネーションなどその表現が持つ特徴には、類似性があることがわかった。
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