研究概要 |
総務省統計局が実した2006年社会生活基本調査の生活時間統計が公表された。その結果を用いて,共働き世帯と非共働き世帯の夫妻の生活時間配分を分析し,あわせて,2006年調査を加えた生活時間配分の変化を検討した。主な研究成果は,次の4点にまとめることができる。 1.共働き世帯の夫よりも非共働き世帯の夫の家事労働時間が長いという結果は,1976年の第1回調査から一貫しているものであり,2006年調査も例外ではなかった。ただし,共働き・非共働きにかかわらず,夫の家事労働時間は,時系列でみると徐々にではあるが増加傾向を示しており,2006年も2001年より増加している。 2.共働き世帯だけに注目すると,2006年調査においても,妻の週間就業時間が長いほうが夫の家事労働時間が長いという傾向は変わっていない。ただし,夫の週間就業時間が長い場合は,たとえ妻の週間就業時間が長くても,非共働き世帯の夫よりも家事労働時間が短いことが明らかになった。 3.家族類型別に共働き世帯と非共働き世帯の夫の家事労働時間を比較した。「夫婦のみ」と「夫婦と両親」,「夫婦と子ども」と「夫婦,子どもと両親」をそれぞれ比較すると,いずれも両親と同居している家族類型のほらが,夫の家事労働時間が短い。この傾向は,2006年調査においても確認できた。 4.2006年調査では,6歳未満の子どもの有無による共働き世帯と非共働き世帯の夫の家事労働時間について分析するにとができた。6歳未満の子どもが2人以上いて2人とも保育園や幼稚園に在園していない世帯の夫の家事労働時間はかなり長くなる。この世帯の場合は,共働き世帯の夫の家事労働時間が非共働き世帯の夫より長い。
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