研究課題/領域番号 |
18500601
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生活科学一般
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研究機関 | 福山市立女子短期大学 |
研究代表者 |
加納 三千子 福山市立女子短期大学, 生活学科, 教授 (40087929)
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研究分担者 |
安川 悦子 福山市立女子短期大学, 学長 (90071034)
藤井 輝明 福山市立女子短期大学, 教授 (20141690)
西川 龍也 福山市立女子短期大学, 准教授 (90249582)
平本 弘子 福山市立女子短期大学, 教授 (60087939)
大庭 三枝 福山市立女子短期大学, 講師 (50413539)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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キーワード | 高齢者の自立 / 協働 / 食の社会化 / 心身活動 / 支え合いの場 |
研究概要 |
本研究は、高齢者が元気に自立して生きる、つまり生活のサステナビリティを維持するためにどのような生活上の仕組みが必要なのかを総合的に研究したものである。高齢化が進み、都市部団地における1人暮らしの高齢者が増えつつある中で、1.食事をどのように日常的に提供するかという問題について、日本のコレクティヴ・ハウスやグループ・ホームの調査を行い、「共食」や「配食」の問題を研究し、2.高齢者の生活を地域のコミュニティで総合的にささえるイギリスの「コミュニティ・ビジネス」や「コミュニティ協同組合」を調査し、そのもつ経済的・社会学的意味を検討し、3.コミュニティに住む人たちの生活のサステナビリティをトータルに支える街づくりの問題を、経済学や建築学的観点から検討し、4.音楽(うたを歌うこと)と身体運動を結びつけて、高齢者の日常的な健康維持をどのように効果的に行ったらよいかの実験を行った。得られた知見は以下の4点である。 (1)コミュニティ協同組合などで取り組まれている共同の食事サービスは、単に生命や健康の維持必要な食事という観点からだけでなく、そこに暮らす高齢者たちの労働(人権としての労働)を保障し、コミュニケーションの場となっていること。 (2)コミュニティにおける「生活の協同化」は近代的な職・住分離の街づくりの思想を根底から覆要素をもっていること。 (3)生活の協同化という筋道は、イギリスなどで取り組まれてきたコミュニティ協同組合運動=「社会的経済」の理念と結びつくものであり、市場中心の経済学にたいするオルタナティヴを提示するものであること。 (4)高齢者の健康を維持するためには、身体表現の総合化、つまり音楽や演劇などの身体表現と運動を結びつけたものが有効であり長続きすることが明らかになったこと。
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