研究課題/領域番号 |
18500614
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 京都女子大学 |
研究代表者 |
米浪 直子 京都女子大学, 家政学部, 助教授 (70291979)
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研究分担者 |
尾関 百合子 園田学園女子大学, 人間健康学部, 助教授 (00169301)
伊藤 知子 大阪国際大学, 人間科学部, 助教授 (70238608)
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キーワード | HACCP / 大量調理 / 食酢 / 一般生菌数 / 大腸菌群数 / 食品衛生 / 加熱調理 / ペトリフィルム法 |
研究概要 |
【目的】食中毒を予防するために、給食施設においてはHACCPに基づく衛生管理の実施が推奨されている。本研究では、きゅうりの酢の物を取り上げて、原材料から製品に至るまでの調理過程について衛生評価を行い、HACCPシステムの導入について検討を行った。 【方法】学生の給食および調理実習で、きゅうり、乾燥カットワカメ、しらす干しを材料とする酢の物の原材料、洗浄後、加熱後および盛付け後の製品を試料として、各5.0gサンプリングし、ペトリフィルム法で一般生菌数および大腸菌群数を検査した。 【結果】調理実習においては、きゅうりの原材料からは、6.7±0.1log CFU/gの一般生菌数、2.6±0.3log CFU/gの大腸菌群数が検出された。洗浄・切断後のきゅうりからも、5.7±0.1log CFU/gの一般生菌数、2.4±0.6log CFU/gの大腸菌群数が検出された。さらには、加熱後のワカメから3.4±1.6log CFU/gの一般生菌数、加熱後のしらす干しからは、4.0±2.1log CFU/gの一般生菌数、2.6±0.3log CFU/gの大腸菌群数が検出されたため、最終的な酢の物(製品)では一般生菌数が4.8±0.2log CFU/g、大腸菌群数が1.4±1.0log CFU/gであった。大量調理においては、HACCPに基づく衛生管理を行い、きゅうり、ワカメ、しらす干しを中心温度75℃1分以上加熱して急速冷却し、2次汚染を防止するために使い捨て手袋を使用して作業を行ったので、酢の物(製品)の一般生菌数は0.6±0.5log CFU/g、大腸菌群は検出されなかった。以上のことから、酢の物の調理において、食酢の殺菌効果よりもHACCPに基づいた衛生管理の重要性が確認された。
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