研究概要 |
【目的】マスタードはアリルイソチオシアネートによる抗菌作用を持つことが知られている。本研究ではマスタードドレッシングを調製して水耕栽培野菜に混合し、細菌数について検査した。 【方法】マスタードドレッシングは、マヨネーズ、フレンチドレッシング、ノンオイルドレッシング、そして二杯酢に市販のマスタードをそれぞれ4%添加して4種類のものを調製した。水耕栽培野菜のモデルとして市販のカイワレ大根およびブロッコリースプラウトを使用した。水洗浄後の試料にマスタード添加または無添加のドレッシングをそれぞれ混合して、0時間(混合直後)、30分、2時間、6時間、24時間30℃で保存し、ペトリフィルム法を用いて一般生菌数および大腸菌群数を測定した。 【結果】カイワレ大根、ブロッコリースプラウト共に、マスタード添加マヨネーズまたはマスタード添加フレンチドレッシングを混合した条件では、0時間と24時間を比較すると一般生菌数に有意な増加がみられた(p<0.05)。カイワレ大根に、マスタード添加ノンオイルドレッシングを混合した条件では、0時間と24時間を比較すると一般生菌数,大腸菌群数に有意な減少がみられた(p<0.05)。二杯酢については、マスタードの有無にかかわらず、カイワレ大根、ブロッコリースプラウト共に、一般生菌数、大腸菌群数に有意な減少がみられた(p<0.05)。 以上のことから、マヨネーズ、フレンチドレッシングにマスタードを添加しても、水耕栽培野菜の細菌数の減少および増殖抑制はみられなかったが、ノンオイルドレッシングを使用した条件では、カイワレ大根においてマスタード添加による抗菌効果が示唆された。
|